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GPブリュッセル

津村健志のシールド講座
Andre Coimbra

ことにシールド戦におけるデッキ構築の選択肢は他の桁違いであり、大抵のプレイヤーは悩みに悩み抜いてデッキを作っていく。
デッキに土地を加える段階でさえ、適切なマナ基盤を熟知するには数年を歳月を要する事になる。
我々は幸運にも、過去数年間で幾つものリミテッド・グランプリを制してきた津村健志先生のシールド・デッキ講座を受ける機会に恵まれた。

普通、新しいフォーマットに精通するには多くの時間が必要だが、健志は今日のトーナメントへ来るまでに、たった1回のシールド戦と2回のドラフトを地元で行っただけだという。
このフォーマットに初めて触れたのは広島でのプレリリース、わずか4名のトーナメントに2−0の完璧な成績で楽々優勝、賞品がっぽりだったそうな。

与えられたカードを注意深く見渡した後、彼はカードプールにちょっと失望の表情を浮かべたが、30分間不運に浸るために日出国からはるばるやって来た訳ではない。
この日本人、青と白それに無色の束を手に取ると、とある規則に従ってテーブルに並べ始めた。

カードを2列に、上の列はクリーチャー、下の列に残りの呪文を。
それらを点数で見たマナ・コストに、低いものから高い順へ並べ替える。

マナ基盤は2色だけ使うと彼は語り、土地スロットに《平地》と《島》を呪文が要求する青マナ・白マナの割合に沿って分配した。

健志が言うには、カードプールは案外良いものだったらしく、黒・赤・緑のカード枚数が足りなかったから、安易に白青になったそうだ。
この環境はローウィンよりも爆弾カードが少ないから気に入っている、というのが彼の意見だが、しかしどんなデッキにも簡単に入ってしまう混成カードの存在で、トップ・プレイヤーの腕の見せ所があまりないのは、ちょっと不満なようだ。

シールド戦では練習に勝るものはない、とのアドバイスを我々に残し、津村健志先生のシールド講座は終わった。


珍プレイ、好プレイ
Tobias Henke

《鏡編み》の絡むプレイングが1マッチに2つも飛び出して、遅々早々はあれど、そのどちらもが試合を決めた。
1ゲーム目、不運にも対戦相手のクリーチャーは−1/−1カウンターが載ったやつばかりだった。
《鏡編み》で全クリーチャーをタフネス1の《鎌の切り裂き魔》にしたところ、状況起因効果でそいつらみんな墓地直行という、なんとも迷惑な話だ。

続いて対戦相手は迂闊にも《風立ての猛禽》をプレイし……、そして当然の《鏡編み》再び!
全てのクリーチャーが《風立ての猛禽》になって、絆魂の効果は攻撃クリーチャーだけに与えられる事になり、そして効果が絆魂能力を得るに留まらず、攻撃プレイヤー側の《猛禽》の数だけ重複するならば。
4体もの5/7飛行が攻撃している事になり、1体が一方の《猛禽》にブロックされるものの、結果、80ライフ(!)ゲインという阿鼻叫喚……。

 ロケットで突き抜けろ!
1、《つまみ食い貯め》プレイ。
2、《沈む感覚》をエンチャント。
3、《火の力》もしくは《ゴンドの存在》を……、勝った!

トーナメント外にも珍プレイ好プレイが。
写真には、上機嫌なアイルランド人プレイヤーと、後向きになって「連合旗」を見せている上不機嫌なイギリス人カバレッジ・ポッドキャスト担当が写っている。
(どうも、航空会社が彼の荷物を手配し損ねたらしく、今日一日は白旗を振る羽目になったんだって)


シャドウムーアの一番人気
Tobias Henke

今週末の中心がシャドウムーアのリミテッドなので、先のウィーンと同じで、それほど勢い余った売買ともなってない。
まぁそれはそれとして、ディーラーにちょっと話を聞いてきた。

シャドウムーアで圧倒的な売り上げを誇るのが……《台所の嫌がらせ屋》かよ!
難しい話でもなく、コスト・パフォーマンスに優れた3/2はビートダウン戦略に合致するし、そうでなくとも歯車のかみ合ったカード2枚が1枚に同梱されているようなもの。
他の白緑の混成カードも負けておらず、《萎れ葉のしもべ》が売れ筋2番手だ。

次に取り上げたるは《絵描きの召使い》、マナ加速と《丸砥石》との組み合わせにより、レガシーでの1ターン・キルの可能性を囁かれている一品だ。
これに釣られてか、最近特に《ライオンの瞳のダイアモンド》も値を上げてきている。


ジャッジなお話
Tobias Henke

デッキ登録の際に発見されたのは、とあるトーナメント・パックに何とまぁ《ピリ=パラ》7枚。
《ゴンドの存在》と《火の力》も同梱されていて、面白いデッキが出来上がるかもしれなかったが、持ち主は厳かにジャッジを呼び、その変なパックは回収されて、代わりのものが支給された。

次の出来事は、あんまり良い事とは言えないのだが。
あるプレイヤーが2ターン目に《茨苺の群勢》をプレイしようとしたが……、彼が無意識に場に出したのは《島背の落とし子》! 何たる子。
彼も対戦相手もこの取り違えに気付かず、遂に彼らがジャッジを呼んだのは2ターンも経過した後だった。
結局、そのプレイヤーは故意に間違ったカードを出した訳ではないと判断され、ゲームの状態は訂正されないまま続行となった。

ところで、第4ラウンドのフィーチャー・マッチはなかった事になった。
我々は、オランダのプロのKamiel Cornelissenと、同じくベルギーのGeoffrey Sironを激突させたのだが、すでにSironは自分のデッキが弱すぎてプレイする気が全くなかった。
しかし試合前にトーナメントをドロップする事もできなかった。
汎用トーナメント・ルールには、「プレイヤーが未開封の製品を受け取ったならば、最初のマッチの前にトーナメントを棄権することはできない」とあり、この場合の「最初のマッチ」とは、対戦相手と軽く握手して対戦シートのドロップの項目にチェックを入れる事だった。
そしてカバレッジのAndre Coimbra独りだけが、フィーチャー・エリアに取り残されたのだった……。


Antoine Ruelのドラフト
Andre Coimbra

シールド戦で好成績を上げるには、まず第一に運が良い事、腕のあるプレイヤーでさえ貧相なカードプールに歯が立たない、そんな議論が時折巻き起こる。
そして、シールド戦の9ラウンドを終え、フランスの名立たるプレイヤー4名がグランプリの第1テーブルでドラフトに向かっている。
Antoine Ruel、Amiel Tenenbaum、Gabriel Nassif、そしてRaphael Levy。
これが……、運だとでも?

Antoine Ruelはマジックのトーナメント・シーンを賑わす有名プレイヤーの1人であり、あらゆるトーナメントを制した実力を持つ。
彼のドラフトを追えば、自ずと学ぶべき点や上達のコツが見つかるはずだ。

昨日、我々はこの環境のトップ・レア、アンコモン、コモンについて、プロたちに質問をしてみた。
Antoineがアンコモンに挙げたのは《増え続ける荒廃》で、幸運にも彼は第1ブースターからその通り引き当てた。
この強力無比な黒のカードをピックし、その後も可能な限り黒のカードをかき集めるAntoineは、「暗黒面」目指してまっしぐらだ。
ドラフト後にそうした理由を聞いてみたところ、彼の答えは「黒は1番弱い色だからさ」。
大抵のプレイヤーはドラフト中にピックしたカードとブースターの事しか考えないが、Antoineはここで思考を1段上に構え、他のプロたちが最弱の色として黒を眼中に入れてないだろうと推測したのだ。

第1ブースターの残り物を除くと、彼は黒か赤でプレイできる混成カードを何枚かピックし、同様にアーティファクトを少々、全体的にまとまったドラフトを見せた。

第2ブースターに入っても、Antoineは2手目に大好物のコモン《痕跡焼き》をピックした他は、黒一直線の姿勢を崩さない。
2色目を赤に選んで、色シナジーを形成する《燃えさし打ちの二人組》《煤歩き》《煤の焚きつけ屋》等を優先して集めた。

第3ブースターには彼の望むものが見当たらず、苦々しくも《燃えさし打ちの二人組》を初手にせざるを得ない。
続いて《悪意炎の魔女》、中盤に《火の力》。
この時点ですでに暗色が漂っていたのが明らかだったのだが、数ピックもしないうちにブースターは「枯渇」してしまった。

デッキ構築を終えれば、彼はドラフトの選択もデッキの出来も、そこそこの手ごたえを感じていた。
このドラフトがどんな結末を迎えたか、この後のカバレッジも見逃すな!


もっとコンボ!
Tobias Henke

邪悪な者たちが跋扈する悪夢の次元シャドウムーア……。

例えば《略奪の母、汁婆》を場に出し、《火群れのどよめき》のプレイ−ありがとう共謀−で《火群れのどよめき》をコピーしたとしよう。
そう、その通り、2体の5/5が場に登場する一方で、9枚(!)の土地と3体のクリーチャーの生贄を強いる事ができる。
そして、これは第5ラウンドに目撃された事実だったりする。

ちょうど今、フィーチャー・マッチで斉藤友晴が《神格の鋼》によって敗北を喫したところなのだが、対戦相手のSimon Gortzenがそれを付けた先は、これ以上はない《占いの達人》。
攻撃を妨げる手段もなく、《達人》の能力で公開されたのは……《鎧をまとった上昇》!
最終的には8/7飛行絆魂ドロー能力と、ぐうの音もなかった。

しかし、ド派手なコンボはこれだけじゃない。
《火の力》をエンチャントされた《ピリ=パラ》は今日一番の凶悪コンボで、これらのカードはどちらもコモンであり、簡単に実現が可能だ。
会場中で幾多のプレイヤーたちが、2枚組みの《マスティコア》(しかも、もっと高効率)の前に散っていった。


Gabriel Nassifのドラフト
Andre Coimbra

フランスのGabriel Nassifは、プレイヤー・オブ・ジ・イヤーからプロツアー・チャンプまで、トーナメント・シーンの最前線を走り続けるヨーロッパのプレイヤーの1人であり、その実力は構築戦・リミテッド共に頂点を極めている。
計3ラウンドで1勝1分けの成績を求められる、今日の第2ドラフトだ。

Nassifがパックを開封して《羽毛覆い》を見ると、他の選択肢とこの時点で彼が取り得る方針を熟慮、ジャッジがプレイヤーにピックを促すアナウンスをして、やっと《羽毛覆い》が彼のカードプールに納まった。

2つめのブースターまで赤と緑のカードの出が良く、逆に青と白の枯渇がフランス人プレイヤーに色変えを要求する。
しかし彼は自分の色を違える事なく、最終的には、少々の白のカードと大量の青白・青黒の混成カードという、重度の青デッキに収まった。
彼の選択は正しかったのか?
第3ブースターでは赤緑の流れが細くなり、Nassifの意向に沿ったカードが立て続けに飛び出したのだから、きっと成功だったのだろう。

ドラフトではしばしばリスクを推し量る事が重要になるが、Gabriel Nassifは敢えて危険に立ち向かい、そして大きな成果を上げたのだった。
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